6.中毒者の完成
ギャンブル依存症解析【最初から読む】
ニューパルのありえないBIG連で、彼は初めて非現実的な金額を勝ちました。
もしかしたら彼が打った台は「裏モノ」だったのかもしれません。
「裏モノ」とは、台を不正改造してスペックを凶暴にさせた違法台を指します。
いくら比較的荒波のニューパルとはいえ、BIGのみのクレジット連で一気に3000枚オーバーは珍しい現象です。
1997年という時代を考慮すると、「裏モノ」の「状態」の可能性は充分考えられます。
そのだいぶ後の話ですが、「アレックス」という台の「裏モノ」で彼はハンパ無く出します。
「大花火」という台の「裏モノ」ではハンパ無く負けます。 それは後述しましょう。
とりあえずこの瞬間で、ギャンブルで勝つ快感が彼の頭に完全にこびりつきました。
この後10年以上もそれに取り憑かれるだなんて不幸以外の何物でもありません。
この時点での彼にとっての最大の不幸は、ギャンブルで勝つ事以外には殆ど興味を持てなくなった事です。
ギャンブルで勝つことが、全ての最優先事項となったのです。
それくらいギャンブル行為でもたらす脳内麻薬は、強烈なのです。
それを証明するかの様に、ギャンブル以上に楽しかったり興奮したりする事は1つも無くなりました。
何をしていても、常にギャンブルの事が頭を支配している状態です。
やるべき事を全て後回しにしてギャンブルを打ちます。
ギャンブル依存症の条件が文句無しに揃いました。
脳内神経伝達物質の分泌バランスが通常よりも大きく狂い、定期的な博打行為により
頭の恒常性を保つ機能を自らの行動で阻害し、正気な状態に戻りかけると
スロットが打ちたくなり、また頭を自分で狂わせるという無限ループ状態です。
その原因は、 「ギャンブルでの勝利の快感に対する強烈な欲求」
「ギャンブルで金を失った時に負けを認める事が出来ない女々しさ」 この2つです。
これに「習慣」が加わる事により、確実に地獄に居続ける事が出来ます。
しかし、数ヶ月後に彼は「天国」に様な台に出会います。
当然の様にその後はスロットで負けまくり
「もうやばい、ギャンブルはやばいよ…..ヤメた方がいいわ…………」
と思いかけていた彼が、スロットを打つ事を完全に肯定したキッカケの出会いです。
18歳の彼は「リプレイハズシ」に夢中になりました。
打ちようによっては勝てる台を知りました。
そんな台は2013年の現在は存在しませんが、1998年のこの頃は現役稼働していました。
そのうちの代表的な台の一つ、
「4号機クランキーコンドル」です。
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