【系統的脱感作法とは】


■系統的脱感作法

【systematic desensitization:系統的脱感作法】

不安や恐怖を基盤とする神経症に対する行動療法の一技法。リラックス状態で不安や恐怖を伴う対象をイメージを想起させて、負荷の弱いものから強いものへと、徐々に軽減させるというもの。わかりやすくいうと、強い不安や恐怖を、徐々に弱い不安や恐怖に変化させて問題解決に向かうというもの。

「系統的」とは、「極めて弱い恐怖や不安を起こさせる刺激から、順々に強いものへと進めてく」ことを意味する。系統的脱感作法の構成は以下の3つ。

 
1. 筋弛緩法の訓練:身体各部位の筋肉群を段階的に弛緩させる。クライエントは緊張感から弛緩感への変化を自覚させられる。

2. 不安階層表の作成:クライエントが不安や恐怖を示す刺激場面を列挙し、それぞれがどの程度の不安反応を示すか、自身に評価してもらう。全く平静な状態が「0」、極度の不安・恐怖を「100」として、「SUD」という自覚的障害単位を用いて不安階層表を作成する。例えば、「大勢の前で話すのが苦手」という場合は以下のような例が挙げられる。
 

(不安階層表例)
・ソファでくつろぐ:0
・家族と話す:10
・近所の知り合いとトークする:20
・友人数人と会って過ごす:30
・会社で同僚と仕事の話をする:40
・上司とディスカッションをする:50
・気のあるの異性と2人きりで長時間話す:60
・発言が前提の、10人程度の会議に出席する:70
・会議で発言し、その場で批評され補足を述べる:80
・重要プロジェクトのプレゼンテーションをおこなう:90
・大規模会場で講演会をおこなう:100
 

3. 筋弛緩状態と不安階層場面を対提示する手続き:十分な筋弛緩状態(リッラックス状態)に入った後、不安階層表にしたがって「SUD」が少ない項目から徐々に段階を上げて想起してもらう。不安が起きたら筋弛緩をおこなってもらい、その不安を弱めていく。この手続きを「SUD」が少ないものから大きいものへと順次繰り返してもらう。
 

上記は系統的脱感作法の原則であるが、変法として不安や恐怖を喚起させる場面に直面してもらう「現実脱感作」がある。(たとえば、「不安階層表例」の場合だと「発言が前提の、10人程度の会議に出席する」などを、付き添いながら実際にやってもらう)

 
【関連用語】
・行動療法 ・イメージ療法 ・筋弛緩法



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