【モラトリアムとは】


■モラトリアム

【moratorium:モラトリアム】(心理学において)

子どもと大人の中間にあって、まだ大人としての社会的義務や責任を問われないで済む(社会心理的)猶予期間。青年が身体的な面や性的な面で思春期をむかえ、急速に大人としての条件を満たすことになるが、心理的、社会的に一人前になるためにはさらにしばらくの「猶予期間」を必要とする。

アメリカの発達心理学者で精神分析家のE. H. エリクソンは、青年期を「自我同一性対 同一性拡散」の危機の時期とした。

モラトリアムにおいてなされることは、役割実験、社会的遊びなどがある。青年は社会的責任や義務を免除され、今まで拘束された育ちからも自由になり、理想的と思える人物やイデオロギーの試みに同一化し、さまざまな可能性を演じ、自分に合う生きかたを模索する。そして「これが真の自分である」と納得できる自分を選びとった時、自我同一性(アイデンティティ)が確立される。

また、モラトリアムは政治・経済・金融などの分野においては、戦争・恐慌・天災などの有事に社会的な混乱を回避するため、法令による「金銭債務の支払いの一定期間猶予」を指す。

【関連用語】
・猶予期間 ・E. H. エリクソン ・アイデンティティ



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