【恐慌障害とは】


■恐慌障害

【panic disorder:恐慌障害】

パニック障害のこと。「恐慌性障害」とも言う。特に原因もないのに極度の不安発作や「死ぬかもしれない」「発狂するかもしれない」という感覚が突発的に起きる症状。また、繰り返し起きる症状。その強い不安感や非現実感は、体験した者でないとわからないほどインパクトが強い。

前提として、身体的な異常もなく各種の症状が表れる。恐慌障害、パニック障害の症状としては、「動機」「発汗」「震え」「胸の痛み」「吐き気」「めまい」「過呼吸」「非現実感」「離人症(自分が自分でないと感じる。体の一部が自分のものではないと感じる。希薄な現実感)」「死ぬのではないかという恐怖感」「しびれなどの異常感覚」「破滅感」など、様々なものが挙げられる。

原因としては、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の過剰分泌などではないかと考えられている。また、うつ病の併発率が半数以上とされる。

発症する場面としては、電車などの交通機関の中や、人前でパフォーマンスをする時などの「逃げられない」とも解釈できるシーンにおいて起きやすいと言われる。特定の場面でしか起きないこともあれば、類似したシチュエーションで起きやすい場合、また、一人で過ごしているなんとなしの時でも発症するケースもある。罹患者は、思春期後半から30代半ばに多い。

いずれも、一定、あるいは不定期に発作があらわれ、発作自体は数分から数十分程度の短時間でおさまることがほとんどである。この症状自体で死に至るケースはない。また、このパニック発作が1度でも起きると、「また起きるのではないか?」という「予期不安」が伴う場合もある。年齢を重ねるにつれて症状がおさまったり、5年経過して再び発症するなど、様々なケースがある。

症状を抑えるために、抗うつ剤、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やベンゾジアゼピン系の抗不安剤の投与が有効とされる。また、パニック発作が起きやすいシーンに対して徐々に慣れさせるという行動療法も有効とされる。

 
【関連用語】
・パニック障害 ・恐慌性障害 ・抗うつ剤 ・ベンゾジアゼピン系 ・離人症



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