ギャンブル依存症解析【最初から読む】




ギャンブラーズ・ハイの危険性

 

ギャンブルで自殺だなんて大げさというか、ピンと来ない方が多いと思います。

 

「スロットなんかの負け過ぎが原因で死ぬ?は?」

と思うのが普通でしょう。確かに、ギャンブルの負けだけが原因で自殺する人間はまず居ません。

 

 

 

それでは、倒産した企業の経営者が自殺した。ではどうでしょう。

「倒産が原因で死ぬ?意味が解らない」

とはあまりならないと思います。

相当に追い込まれていたのだなあ…..などと心情察っする事が一般的でしょう。

 

 

この2つは、性質が全然違う事例です。

しかし自殺に至るまでの精神状態に陥る直接的な原因はとても似ています。

 

 

自殺の要因として考慮すべき点を大きく4つに分けて考えてみます。

(各状況下に於いて精神的疾患は併発しやすいと考慮)

 

 

「ギャンブルなり事業なりで借金を莫大に抱え、見通し不能な状態になる」

 

「精神状態が著しく悪く、偏った思考が固まってしまう」

 

「思い描く自己の理想や目標と現状とのギャップに耐えられなくなる」

 

「人間不信」

 

 

 

例えば、著名人などで自ら命を絶ってしまった故人にあてはめて考えてみます。

 

 

「ただ、一さいは過ぎて行きます」との絶望的なフレーズが印象的な太宰治。

 

文豪の深い思念をはかるのは並大抵ではありませんが、太宰氏の著書には自身をモデルとしたものが多く、その内容から照らし合わせると「等身大の自身」に対し、常に猜疑心と葛藤を持ち続けていた様に思えます。

自己評価が定まらない状態の健全な精神状態など望める訳も無く、女性を振り回し、振り回され、理想に反した事実は全て自分が原因であると基本的に解釈していた思考は、徹底的に自分を傷付けている様に感じました。

その常人離れした罪悪感こそが名作を創り出すエネルギーの様に思えますが、自己を責め続ける思考が常となると、執筆以外の実生活は非生産的なものになってしまうのでしょう。

病をキッカケに処方された薬物やアルコールの常習で心身を自ら蝕み、思い描く人間関係の理想も倒錯したまま、心中という方法に身を投げてしまいます。

 

 

「I love you, I love you」と締めくくった遺書を残したカートコバーン。

 

彼の音楽や歌詞、言動などは常にカッコ良くも寂しそうで「理解者」を求め続けていたようにも感じます。

自分ではもう一つも気持ち良くないし面白くもないと感じている事をやらされては賛辞され、純粋な自分が悲鳴を上げているとの旨が遺書に記されています。

人と関わったり、音楽を楽しんだり、純粋に生きている事を楽しみたかったのに、みんなが思っている自分は「カートコバーン」をやらされている自分であるかの様な感覚。

演技し続けて生きている様な虚無感は、強烈な自己否定に繋がり「他者を欺きながら生きている」様な罪悪感すら抱えてしまったのしれません。

ただ純粋に求愛していたかっただけなのに、生身の自分は歪められている。

良かれと他者の為に振る舞っているが、自分も、他者にも嘘を吐き続けている様な感覚は絶望的な心境に取り憑かれてしまうのも無理はないと思います。

精神薬やらを常用していたらしいのですが、最期は悲しみの頂点で自ら命を絶ったように思います。

 

 

 

 

なんだか私の気が滅入ってきたので、例は2つでもうヤメておきます。

 

先述した「考慮すべき4点」にはいくつか照らし合わせる事ができると思います。

 

ギャンブラーの自殺という、もとの主題にも照らし合わせると

「ギャンブル依存症が進行すると、上記の4点全てが適合する状態に確実に陥る」

という事実があります。

 

事実というのは、とりあえずサンプルである「彼」の場合の結果です。

しかし、全てのギャンブル依存症の人間は例外なく当てはまってしまう可能性が非常に高いと思われます。

 

そしてその大きなキッカケ、一つの「ライン引き」が出来ます。

ギャンブル依存症で破滅的な状態になるか否かのラインは

「借金をして打っている」事です。

 

これが無いギャンブラーは、なんというか「べつに大丈夫」です。

依存症だとしてもなんとかなります。

 

 

 

彼は自殺する事はありませんでしたが、「4号機AT爆裂台」を打つ事により今まで見られなかったある変化が起きます。

 

自殺を主題に出させてしまう程の過去最狂台「4号機ミリオンゴッド」。

彼はこの台はほとんど打ちませんでした。

怖過ぎるからです。

 

しかし「アラジンA」はよく好んで打っていました。(これもかなり恐ろしい台ですが)

ある日、この台であっという間に12万円ほど勝ちました。

しかし彼はあまり嬉しくなく、妙に虚しい気分になります。

 

 

 

 

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