ギャンブル依存症解析【最初から読む】





 
ここまでギャンブル依存症の解析を進めてきて、前述したいくつもの症状や要素が解ってきました。

 

 

「4号機ジャグラー」でギャンブル脳を自ら開発し、「4号機ニューパルサー」で台の視覚的、聴覚的な効果、繰り返し行う単調な動作が「被暗示状態」をつくりだし、それに晒される事によって陥った催眠状態からの自己洗脳。

金銭的な体験は強烈な快感と憔悴感、アンビバレンスな感情を急速に行ったり来たりする事で脳内神経伝達物質のバランスを失いました。

 

そして、目押し技術で勝ち続ける事により「スロットで勝ち利益を得る」という事を「労働に対する報酬」という概念と同等の様に認識し、ギャンブル行為そのものを肯定しました。

「4号機クランキーコンドル」での体験により、勝てば問題無いという事を実証しました。

 

しかしそれは誤った認識であり、労働の対価として金銭という報酬を受けるのが正しい認識です。

スロット台を丁寧に目押ししたりして得る報酬は、何事の対価とは決してなりません。

 

 

 

少し考えれば誰でも解りそうで、又、間違って認識していても正す事はできそうなものです。

しかし、彼をはじめギャンブル依存症の人間が狂った認識を正せない理由、そこにギャンブル依存症の最大の要点があります。

 

 

 

「ギャンブル依存症の要点」

この時点では以下の様にまとめられます。

 

 

 

「ギャンブル行為による逸脱した行為と狂った感情の原因、それは本人の思考の倒錯と抑圧された感情の暴走である。」

 

「本来コントロールすべき感情や行動が制御不能になった原因は、脳内の扁桃体など原始的な分野までに及び刻み込まれたギャンブルによる強烈な体験記憶。」

(恋愛中に於いて発言や行動に自制がみられない様に)

 

「ギャンブル行為中は自己催眠状態、被暗示状態などの精神体勢が主であり、その中で非現実的な快感に晒される事で無防備となった無意識、自我のガードが容易に空き、結果、狂った概念も受け入れる。脳内麻薬の大量分泌がそれを手伝い、その際の抵抗は不可能。」

(覚醒剤接種などの快感中に正論を述べる中毒者が存在しない様に)

 

「バランスを失った脳内神経伝達物質の分泌と受容体の変化は、ギャンブル刺激が無い日常に戻ると抑うつ状態や憔悴感、不安感などの情緒不安定に陥り、正常な状態に戻る手前で再びギャンブル行為に至る。それを習慣とする。」

(アルコール依存の人間が軽度のそれであってもなかなか休肝日をつくれない様に)

 

 

 

 

と、まあ堅苦しい感じですがこの様に捉える事ができます。

とりあえずこれらを「解析にあたる基礎概念」と暫定しましょう。

 

なんというか、依存症の根源やらナンダカンダと小難しく連ねていますが、原因をシンプルに言うと

「ただ寂しいから」だけの気もしますが………

 

それでは解析にならないので、張り切って進めます。

 

 

19歳から20歳へ、彼は「B-MAX」でボロボロに負け、「アレックス」や「大花火」を打ちます。

たまにCR機なども打っては、一時はコンドルで勝ち続けていた彼はただのパチンコ屋のいいカモとなっていました。

 

 

そして時代は、スロットによる自殺者まで出してしまった「爆裂AT機」時代へと移り変わります。

台の機種を挙げるだけでも当時を思い出し、なんともいえない記憶が蘇る方もいるのではないでしょうか。

 

「獣王」

「ダブルチャレンジ」

「サイバードラゴン」

「アラジンA」

「サラリーマン金太郎」

「ミリオンゴッド」

 

 

 

 

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