ギャンブル依存症解析【最初から読む】





 
奇跡的にギャンブル依存症から脱した彼に訊きました。

 

「…..じゃあ、一番好きな台って何でしたか?」

 

彼は、間髪入れずに「B-MAX。19歳くらいの頃よく打っていました。」と答えました。

 

 

 

というのも、彼はギャンブルを断つ方法として選んだのは、「GA」などの更正施設での療養や、向精神薬などで半ば強制的に行動を制限するものではなく、方法の一つとして「現在この記事を書いている私にギャンブル体験を事細かく報告する事」でした。

 

そしてもう一つ、「思い込み」を利用した自己洗脳を行い彼自身の思考パターンに上書きを加えるといったもの、おおまかにこの2つでした。

 

 

最初にこの話を彼に持ち出された時に「確かにその2つの方法を緻密に予定通り行った場合、依存症ではなくなる可能性が高い」と私は思い、協力する事にしました。

 

彼が知ってか知らずかは当初解りませんでしたが、エクスポージャ(体験や心境の曝露により心の負担を軽減させる心療法)を徹底的にケアした上で、自覚している自身の認知の歪みの矯正ではなく、新たな再認識を構築していく。という手法は、各分野の専門的な「治療法」の本質に近いものでした。

 

 

そして「曝露」の過程がまた非常に細かく、事実そのものからニュアンス、その時の心境はもちろんの事、台の特性から店のBGM、煙草はこのタイミングでよく火をつけていただの、帰ってビールを何杯飲んだとか、それはそれは気の遠くなる様な対峙でした。

 

そして、彼の「台本とか著書を書く感じでまとめて欲しい」との所望は絶対条件でした。

それに応えるのに都合の良い「ブログ公開」を提案したところ「最初はそれで良いです。でもなるべく専門用語は使わないで下さい。スロットの事以外は。それと、あまり暗く書かない様に…..」との事でした。

それと、「分析」ではなく「解析」と表現して欲しいとの事でした。

後述しますが、これは感心した点でした。最初は意味が解りませんでしたが。

 

 

「……クランキーコンドルと、キングパルサー、その時期のストック台、花火百景、あとエヴァンゲリオンのパチンコと、辞める寸前まで打っていたミリオンゴッド、金銭的にいい思いしたのはこれらを打ってた時期だよね?なんで一番好きな台がB-MAXなんですか?」

 

 

彼はリアルに思い出している様な目付きで顔を歪ませ答えました。

「たぶん、一番スロットを楽しんで打ってた時期に、一番固執して負けてた台だからです。」

 

「じゃあ、今日はその辺の話を詳しく……ビールかなんか買ってきましょうか?」

 

 

 

彼はこの時期、「B-MAX」「アレックス」「大花火」など、同一のメーカーによる台をよく打ちました。

 

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