前回は「うつによる気持ち的な変化や症状」をおおまかに挙げました。あまりにおおまかなので、もちろん全部ではありません。




「うつ」をうったえたり感じる人間に、頻繁にみられる「共通項」です。
だるさや、意欲の低下、希死念虜、根源的な欲求の渇望、などなどです。

故に、やる気全開のエネルギー満ちあふれる鬱病罹患者は居ないと思われます。
しかし、そういった症状の精神疾患も多岐にわたり存在するため、それらは別項目で記そうと思います。

「鬱病の定義」、それらの診断基準や治療法の選択は、カウンセリングなどの専門機関や心療内科、精神科、さまざまなものがあります。

心理士の学術や臨床に基づいた診断や、精神医学会のDSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会の定めた、臨床、倫理、統計などに基づく世界各国で用いられている精神障害の判断基準)などが、現代では正当な診断とされています。

さて、それでは「うつ」の診断基準です。どこからが「うつ」「鬱病」なのか、気分的な面や精神的な部分は「伝えづらい、表現しづらい」というところがあります。感情の言語化は、人によってかなりの差があります。

「私、毎日死にたくて死にたくて仕方ないの………」

と訴える方が、翌日にはスッキリと元気にテカテカしていたりもするし、

「ああオレもう死にてえわマジにー」

と軽く言っていた方が、翌日から姿を消した。

なんていう、少し極端ですが「感情表現」や「気分の説明」は非常に個人差と程度の開きがあると思います。

そこで、「うつによる身体の不調」に着目します。精神面よりはいくらか解り易く伝えられ、また、解釈もしやすいという点が重要です。

「頭痛」を例にとると、

「ちょっと偏頭痛。寝れば治ると思う」

「頭が割れそうに痛い。毎日。もう吐きそう。」

この場合、後者は病院に行く事を真っ先に勧めることが出来ます。

しかし、

「死にたい」

「なんかすげえやる気でねえ」

だと、なかなか病院などへと促す事は難しいです。

「うつによる身体の不調」をいくつか知っていた場合、「うつ」を疑う、察知する事ができます。

それだけでは「鬱病」と判断できませんが、「症状の共通項」としてとても多い「うつによる身体の症状」を羅列します。

「偏頭痛」

「息苦しさ」
(実際に呼吸しづらいが、呼吸器系の疾患ではない)

「不眠」
(眠れても浅い睡眠で、悪夢を頻繁にみる)

「喉の違和感」
(喉がつっかえてる感覚が常にある。ボールが引っかかってるような違和感)

「視界が妙に眩しい」

「動悸や不整脈」
(循環器の疾患ではない)

「腰痛、肩こり」

「背中の痛み」
(筋肉や神経に異常はなく、又、内臓疾患ではない)

「手足など、一定の部位の痺れ」
(日替わりで痺れを感じる位置が移動する)

「めまい」
(座っていても起こる立ちくらみの様な感覚)

「耳鳴り」

これらの「身体的な症状」ではある事に対し、「身体に異常は無い」という点が最たる特徴です。

上記のいくつかの項目にあてはまった、とあるケースを記します。

彼女は鬱の概念やらを殆ど知らず、何となく苦しんでいました。

「とにかく胸が苦しい。この喉の奥にあるできものは何だろう……大きな病気とかだったら怖い……」

ある日、意を決して「内科」に受診するため病院へと向かいました。

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