【主張訓練法とは】


■主張訓練法

【assertion training:主張訓練法】

自分を率直に表現できるように訓練する方法。アサーショントレーニング、「断行訓練法:assertiveness training」とも言う。神経症の治療目的だったが、現在では内気で困っている人や、人間関係がうまくいかない人たちにこの方法を応用する。

主張訓練法は、自分の権利の主張や、考えていることを率直に表現することの訓練。相手を攻撃するのではなく、相手を尊敬、尊重し、誠実に親愛感を持ちつつ、自分の言い分をも通すというアサーティブ(ここでは「相手を尊重しながら適切な方法で自己表現をおこなう」)な特徴がある。

「〜してはいけない」という固定観念を取り払い、社会習慣にとらわれることなく、自分の感情をオープンにさせるように導くのがその目的。それには以下の6要件が必要になる。

 
1. 自分の感じたことを述べる

2. 感じたことを表現する

3. 否定して攻撃する

4. 「私」という言葉をよく考えて使う

5. 褒められても謙遜せず同意しておく

6. 思いつくままに話す

 
■主張訓練を受けるとよいとされる人の6項目の特徴
 
1. 対人関係で常にオドオドして不安を持っている人

2. 他人とうまくコミュニケーションができない人(思ったことを口に出せない人)

3. 他人よりも劣っていると感じている人

4. 攻撃的で敵意を示す人(自己主張が強すぎて相手に嫌われる人)

5. いつも受け身な人

6. 自分をさらけ出せない人(自己否定的な認知をしているため、自己表現できない人)

 
■主張訓練の11項目
 
1. 自分の感情を話す

2. 心に起きた最初の感情を大切にする

3. 褒められて謙遜しない

4. うまく自慢する

5. ボディーランゲージを使う

6. 穏やかに反対する

7. わからなかったら質問し直す

8. 自分の意見を徹底的に正当化しない(相手の逃げ道を残す)

9. 話し方を上手にする

10. 話す場所を選ぶ(ホームグラウンド的な場所だと安心して話せる、など)

11. TVやYouTubeなどから他人の話し方を学びとる

 
アメリカの行動主義心理学者のソルターは、『条件反射療法』の中で、“現代社会では、多くの人が社交化されすぎている”と書いた。みんなが快適に過ごすことを目指しているうちに、自分の感情を無視することになってしまう。すると、心の中で葛藤が起こり、他人との真の感情的交流を得られなくなってしまう。ソルターは、これがノイローゼ(神経症等)の原因になるのだろうと考えていたので、それを治すには感情を表現する方法を考えればよいのではないかと思い、「主張訓練法」を考案した。

 
【関連用語】
・行動療法 ・行動カウンセリング ・行動主義



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