ギャンブル依存症解析【最初から読む】





彼のギャンブルによる自己嫌悪や葛藤、抑うつ状態。社会的廃人、心神喪失まであと一歩の精神状態を1秒で吹き飛ばす「プレミアムゴッドゲーム」について補足します。
4号機の「ミリオンゴッド」ではプレミアムゴッドゲームに当選すると、500ゲームのAT状態を獲得します。
1ゲームあたりメダル10枚づつ増えるという、今では信じられないペースで出玉を増やせます。
当時は「GOD」が中段に揃おうものなら、店員さんは空のドル箱を頭上に2~3箱そっと置いて鬼の首を獲ったかのテンションで煽りの絶叫マイクパフォーマンス、なんて風景も見られる程でした。
一撃5000枚が保証された様なものなので、GOD揃い=10万円の「最強の一発役」でした。

 

 

 

彼は当時この台は殆ど打ちませんでした。
キンパルなどのストック台でコツコツ金を増やしていた時期です。
5号機の「ミリオンゴッド神々の系譜」でのプレミアムゴッドゲームは、だいぶ仕様が違います。
「GOD」中段揃いで当選、ここは同じです。

 

 

500ゲームのAT、ではなくARTですがこれを500ゲーム得られるのも同じです。
5号機なのでかつてのATの様な凄まじい出玉純増枚数ではありません。
1ゲームあたり2~3枚くらいのペースで出玉を増やしながら、さらに、ボーナスゲームの抽選を毎ゲーム受けながら消化していくという仕組みです。
ここが4号機ミリオンゴッドとの大きな違いです。

 

 

そして、最大の魅力は「500ゲームのゴッドゲーム、厳密には100ゲームが5セット」がプレミアムゴッドゲーム当選時に保証され、プラス、当選時に50%以上の確率で更に上乗せ抽選が内部的に行われている点です。
要するに、「最低5セットのゴッドゲーム」(絶対に5連荘はする)。

 

 

「内部的な50%以上の上乗せループ抽選」(仮に50%のループ抽選に当選の場合、1/2の上乗せ抽選にハズレるまで1セットずつ上乗せ。何回当選したかは表示されない)。

 

 

「ゴッドゲーム消化中の毎ゲームの上乗せ抽選」(仮にまたGODに当選したら、更にそのまま5セット以上の上乗せ。他条件の上乗せ契機も複数存在。超高確率上乗せ状態なども)。

 

 

これらの要素により、連チャン期待値が計り知れない仕様と、あまりに複雑な内部抽選確率で「ミリオンゴッド神々の系譜」は過去の汚名を払拭?し、たちまちホールの大人気機種の座に君臨しました。
やはり、パチンコパチスロのギャンブル的な最大の魅力は「出玉の期待値」です。
その見通しが見えづらければ見えづらい程に興奮出来ます。

 

 

確率変動大当たりや、4号機の北斗の拳のバトルボーナスの様に、「いつまで続くか解らずの連荘状態」これが最も期待感と興奮を煽り、最も中毒性があります。

 

 

一発の当たり契機でいくらでも取り戻せる可能性を孕んでいる「役」がある限り、ギャンブラーはいくらでも台に現金を突っ込めます。
そういった役やシステムがいきすぎた結果、4号機は姿を消しました。

 

 

 

 

 

しかし、ここにきて「4号機の狂騒時代」に最も近い台が現れたのです。
彼が再び我を失って「ゴッド」にハマったのはギャンブル依存症の要素とはまた別に、このまま5号機がつまらなすぎて、スロット自体が淘汰されるのではないかと少しばかりあった懸念と寂しさが、この台の登場と賑やかな稼働状況に払拭されたというところもある様です。
それも少し理解できます。

 

 

 

彼にとってホールは、ギャンブル場は、どうしても離れられない自分の居場所の様になっているからです。
どんな状況であろうとも、そこに行けば自分と同じ種類の人間が大勢集まっています。
いつ行っても、喧騒と眩しい光を絶やさずにギャンブラーを迎え入れてくれます。
当たれば確実にハッピーになれ、負ければ確実にガッカリ出来ます。
少なくとも、退屈は紛らわせてくれる場所であり、時には金を増やし続ける事もできました。
彼は、この居場所が無くなってしまったら寂しくて仕方ないでしょう。

 

 

そこに居る事自体がつまらなくなってしまうという彼の懸念は、きっと恐怖以外の何物でもなかったのでしょう。

 

 

 

 

 

そんな中でのこの台の登場は、彼にとってはまさに神の様なものでした。

 

 

 

 

 

 

そしてその神は彼にとても優しく手を差し伸べます。
突然、目の前が真っ暗になったかと思ったら中段に「GOD」が揃い、あり得ない程の興奮と報酬を与えてくれます。

 

 

 

完全に信者と化した彼は、この頃はミリオンゴッドしか打ちません。
神は熱心な信者には優しいのか、簡単なくらいに勝たせてくれます。
不思議なくらい簡単に彼は「プレミアムゴッドゲーム」を引きます。
あたり前ですが、そんな日は長くは続きません。
いや、長く続いた方でしょう。ヒキだけで半年近くは勝ち続けたのですからあきれたものです。
彼に直接ふりかかった訳ではない、「とある事件」を境に神さまはコロッと態度を変えました。

 

 

 

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