パニック障害:ケース1





14歳の彼は、大好きな漫画を寝そべって読んでいました。
 
突然。
 
彼は、「認識した事の無い空間」から、あろう事か「自分自身」を見下ろし傍観しました。
 
そう例えて申し分無い、「ありえない非日常的な感覚」にスッと身を置きます。全く意味が分かりません。
 
いきなり空間の概念がひっくり返った記念すべき一瞬です。などと歓喜の心境など彼には微塵にもありません。ただ「本能レベルで感じる恐怖心」で頭の機能から感情から何から、100%を占めている心境です。
 
その証拠と言いましょうか、その時の彼の心境は「やばい。やばい絶対やばい。死ぬわ。やばい!ゆーたいりだつだ!」
 
そういった「漠然とした恐怖心」に完全に支配された人間がどういう行動に出るか。
 
非常に興味深いところです。
 
 
いてもたってもいられない彼は、大好きな「ブラックジャック」の漫画本を放り投げて部屋の外へ、家の外へと無言で飛び出しました。

 

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