ギャンブル依存症解析【最初から読む】





 
勝っても負けても何だか不安な気分に苛まれるのは、ギャンブル依存症特有の精神状態です。

 

打っている事自体を本心が否定している為に常に不安定な精神状態が日常となるのでしょう。

 

依存していない人間が勝ったり負けたりしても、「ラッキーだった」とか「ついてなかった」で終わらせられるのですが、依存症になってくると必ず再びギャンブルを繰り返すのでそれは気が気じゃあないでしょう。

 

 

 

22歳の彼は「キングパルサー」という台で勝ち続けました。

17歳の時に彼がギャンブルに目覚めた「4号機ニューパルサー」が進化したかわいいカエルの台です。

 

この台は、ボーナスを内部的に溜め込み一定条件を満たせば放出するという「ボーナスストック機能」を備えた当時画期的なシステムの台でした。

 

偶発的な「当たり」を機械内部で管理し、「一定条件の達成」によってボーナスゲームを得られるという特殊な仕組みです。

 

その溜め込んだボーナスを放出する一定条件に着目し、その条件を満たしやすい台のみを打つという事で勝率が遥かに上がるのです。

条件とは、「一定の回転ゲーム数消化」というシンプルなものがメインなのですが、その消化ゲーム数の振り分けがランダムでは無く相当に偏っていて、放出条件の消化ゲーム数「狙い打つ」事でリスクを最小限に押さえ、更に「リプレイハズシ」の効果が望める事に加え「BIGボーナス中の特定役出現率」であるていど設定が解るという「勝つのにうってつけの台」でした。

 

 

 

要点は

「ストックボーナスは7割方128ゲーム以内に放出される」

「それ以降は倍数のゲーム数(256,512,1024)ごとの放出ゲーム数振り分けとなる。

「リプレイハズシが効く」

「BIGボーナス3回程度で高設定か低設定かがほぼ解る」

 

 

 

これらをあらかじめ知った上で、彼は「キングパルサー」を攻めました。

クランキーコンドルでもそうでしたが、彼はもともと生真面目な性格なので「いける手段」と認識できれば必ずそのスタンスを徹底します。

 

たとえば、ボーナスを消化し「特定役の出現率」が明らかに低設定のそれであった場合は128ゲームまで回して必ずヤメます。

「特定役の出現率」が高設定よりだったら様子をみます。

ダメだったら「128」の倍数に近いゲーム数の空き台を町中さがしたりします。

 

 

 

これだけで月10万くらい彼は勝ち続けました。

「キングパルサー」や、それとと同じ仕組みの「ストック台」を徹底したスタンスで打ち、再びアブク銭を増やし続けました。

 

 

「いける、カンタンだ……こいつで借金返済いける………キンパルならいける……」

 

 

勝っても負けても不安定な気分は、「戦略をもって勝ち続ける事」が吹き飛ばしました。

そしてこのキンパルは、彼の人間性の一部を吹き飛ばすある出来事をもたらしました。

 

 

 

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